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2006年10月23日 (月)

新利の真理(刻&一春)

「あと何分だ?」
「13分27秒プラスマイナス0.005秒」
「人間時計かよ!?」
「正確を要求したのはお前だろ」
「限度があんだよ」
「そんなこと言ってるうちにも減ってくぜ。あと12分13秒プラスマイナス0.0005秒だ」
「一春」
「ん?」
「ムカつくよ、お前」
「俺もだね」

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40512

ひみつの階段
紺野キタ
ポプラ社




「うまいなぁ」と思うわけですよ。

一言で言えば「女子校の寄宿舎の話」。

古い寄宿舎で起こる、その寄宿舎が古いからこそ起こる「少し不思議な日常」を描いているのですが。

ぼくは寄宿舎暮らしなどしたこともなく、まして男なので、こういう「女子校の寄宿舎」の物語を描かれると単純に「憧れ」をもって見てしまう訳です。

だから実は読む前からアドバンテージがあるのですが、寄宿舎で暮らす少女達の感情の揺れ動きをですね、布を一枚隔てたあっち側から「感じさせる」というのはうまいと思う。

結構登場人物も多いんですが、一人一人が抱えてる悩みや思いを「古い寄宿舎に起こる不思議な出来事」を通して一つ成長させてみせる。

恋愛を描くのはもちろんいいと思うのですが、「少女」の考えることはそれだけでもないでしょう。少女漫画が「想い」の揺れを描くのに適したメディアだってのならこれは間違いなく傑作。

ぼくはこっちのが好きだなぁ。

連作短編っぽく短いエピソードで次々に登場人物にスポットが当たっていくのも好き。お気に入りは「印度の花嫁」。

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