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2007年1月31日 (水)

牽制の剣尖( from 鋭耀&晴音)

「薄氷を踏むトライ・アンド・エラー。
クズ…だな」
「あるのかないのかわからない足場に、確かめもしないで飛び乗る方がどうかしてる」
「…チッ。所詮テメエも二流かよ」
「?」
「二流の考えだっつってんだ。関係ねーんだよ。足場なんかなかろーが立ってみせる、そのくらい出来なくて何が一流だ」

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2007年1月29日 (月)

鏡台の兄弟《 from 剣介&槍司》

「槍司君」
「…兄貴?」
「いい相棒を見つけたじゃないか」
「…」
「放っておいても先頭に立って戦ってくれる。躊躇いもしなけば逡巡もない。まっすぐ敵を倒してくれる――槍司君は手を汚さなくていい」
「!?」
「槍司君は彼の背中を押すだけでいい。最高の武器だ」
「やめろ」
「腰の刀《それ》は便利だよね。持ってさえいれば戦っているもんだと思ってもらえる――例え君が、いつも戦辞書《バトルディクト》の後ろに立っているとしても」
「兄貴!!!!!!」
「ふうん。それでも吠えるか」

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2007年1月23日 (火)

意図の糸"常に繋がる鉄鎖の絆"( from 晴音 & 槍司)

「おい」

――なんだよ、まっ裸《まっぱ》の金髪ねーちゃんでも落ちてたか?

「死ぬのが急に怖くなった」

――……ぶわっはっはっはっはっはっは!

「キミ達のせいだ」

――そうさ、オレたちがお前を「人間」に戻した。感謝しろよ、大バカヤロウ!

「どちくしょう」

――ヒャヒャヒャ、いいね。実に人間らしいぜ、お前。いつだっておれ達がお前を連れ戻してやる。安心していいぜ、ハル。

「……ふん」

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夢幻燈本舗fairy tale~物語の話をしよう~

“兄弟達” 第5夜

さて、何やらだらだらと続けてきた「物語の話をしよう」ですが、いよいよ最終夜である。

「まとめと敵。ルールを設定しよう」である。

今回は最初に挙げた

・尋常ならざる能力を持った六人の『組織』の話を書きたい。
・ただ、その組織が何のための組織かという『存在理由』が見つからない。
・『敵』は用意できている。

という3つの要点に従って話を締めたい。

4夜までにぼくは「6人」の配置やら「組織」とは何かという話をしてきた。今回は「ではつまり何をしなければいけないのか?」の話で締めたい。

ぼくはまず必要なのは「ルール」じゃないのかと思う。

「敵」は用意されているという。

そしたらその「敵」が「望んでいること」もあるだろう。そして「敵」が「敵」という存在である以上彼が望んでいることは主人公キャラクターである「6人」の望むことと対立する。そうでなければ敵としての存在意義が消えてしまうので。

ここまで考えてくれば、

・「敵」の望み
・「6人」という「組織」が、更に言えば「6人」のうちの1人1人が「敵」と戦うその理由
・上記2点から派生して、「敵」「6人」この組織に属する全員のキャラクター付け

と、ここまでは明確なものがすでに出来上がっているだろう。

変な話ここまでが完璧に出来上がっていれば物語は結構簡単に転がりだすはずだ。というのも「異なったベクトルの願いを持った対立構造」と「少なくとも7人以上の人物相関」が完成しているのだから「あいつがこう思うだろ?で、こいつがこう動く。そうするとここには対立構造があるから…」とやっていればドラマは自然に生まれてくるはずなのである。もしまだ中々転がりださないというのであればおそらくそれぞれの「望むこと」の規模が小さすぎるか、キャラクターの作りこみが甘いのだと思う。

話は戻って、ここまでできたら最後は「ルール作り」。順不同でおそらく「ルール作り」からお話作りが始まるケースもあるのだろうが、今回は最後に回した。

今回のケースで特に言えば「状況がどうなったら『敵』の勝ちで、どうなったら『6人』の勝ちなのか」つまりはそういうことである。

それぞれの側の「望み」にこれをくっつけておけばキャラクターたちはそれぞれの設定に従って「ルール」に則り、「望み」の達成を目指し出す。いわゆる「キャラクターが勝手に動き出す」状況である。

もっとも、ぼくが語ったのはあくまで理想論。全てうまく行ったときの話なので、完全にそうなるかどうかは分からない。
ただ、プロセスや方法論は様々あるにしろ、このようにしてキャラクターや舞台設定を煮詰めていくことをすれば物語は生まれるべくして生まれてくるのだと思う。

行き当たりばったりで物語は進まない。筆は勝手になんか動かない。結局、考え抜くことで「物語」を深く、深く掘りつづけるしかないのだ。で、すげー頑張って掘ったその先に、たまたま「名作」ってやつが埋まってる。ぼくはそう思っている。


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2007年1月22日 (月)

定言の提言( from オズワルド to 晴音)

「心に『少年』を残した大人はいるが、一生『少年』のままである大人などいない。成長するとはそういうことで、そして成長しない人間はいない。
奇麗事で守れるのは自分だけだ。本当に大事なものを守りたいなら――呑み込め、戦辞書《バトルディクト》。噛み潰している余裕など無いぞ」

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夢幻燈本舗fairy tale~物語の話をしよう~

“兄弟達” 第4夜

「ではお前なら6人をどう配置するか?」

実はこの問題に対する答えはたやすい。

「ゴレンジャー」

この一言で片が付く。

これは順序の問題があって、ぼくは闇雲に「ゴレンジャー」に当てはめますよと言ってるわけではない。

「結果的」にキャラクター相関は「ゴレンジャー」的になってくるという意味である。

と、言うのも、この物語を「小説」の形態で表現した場合「6人」という人数はかなり多い。さらに6人を組織として書きたいということであるから、この6人+敵対組織さらに物語を進めるのに必要なサブキャラクターなんかを加えると10人を超えてくることは間違いなさそうだ。

そうなると、原稿用紙300枚くらいの標準的な厚さの小説一冊ではどう考えても足りない。

言ってしまうと、この物語は端から「シリーズ」として考えないといいけなくなるのだが、物語を最初から「シリーズ」とかで考えていくのは危険である。とくに世に送り出したいと考えた場合尚更だ。大人の事情やら本人の力量やら、絡んでくることは多い。

ではぼくならどうするか?

書かない。

これが正直な話なのだが、さすがにそれで逃げてしまうと「ふざけんな」と言われそうなのでもう少し考えましょう。

正味な話、ぼくならどうするかと言われれば、得意な方向へ捻じ曲げて、6人で完結する話を描く。ぼくはスケールを広げるよりも、個人の思惑が次々に絡んでいく話が好きなのでそうする。

ただ、あくまで第1夜で最初に挙げたコンセプトを生かすのであれば、「6人全員は描かない」もしくは「敵を描かない」。

要するに主人公6人のそれぞれのエピソードを用意すると6つ。さらに敵組織との話を用意するなら7つ以上になる。これを詰め込むだけの余裕は無いわけだから、削り落とすしかない。となれば、主人公ともう1人2人ぐらいのエピソードを絡めつつ敵との衝突という事件を描くしかない。他の4人ないし3人に関してはサブキャラに回ってもらう。

おそらくこの形だろう。そして、もしシリーズ化するようなことがあれば次の巻では他のキャラクターの話をすることにしよう。

そしてもう一つ「敵を書かない」とはどういうことか。

これは、敵をひどく曖昧で強大なものにしてしまう。

その上で主人公達6人の1人1人の視点からその「敵」に関わる思いや行動、立場を次々と描く。連作短編の形である。そうやって描写していくと最後には登場人物が戦っていた「敵」がなんだかわかり、さらに主人公達それぞれの思惑と『組織』の形が見えてくるのである。個人的な好みを言えば、ぼくにはこちらの方が向いている気がする。
ただし、「敵」側の心情は描写しにくいので対立図は描きにくいかもしれない。

いずれにせよ、物語を作る前に、主人公達のキャラクターはきっちりゴレンジャー的に決めておく必要がある。というのもこれだけの人数だとかならず書き分けが難しくなり、キャラクターがぼやけだす。それを防止しようと思ったら、はじめから型にはめて「熱血」「冷静」「ギャグメーカー」「紅一点」「ひねくれもの」…などのように枠を定めてしまうのは非常に有効なはずである。

さらに、これだけの人数を描くわけであるから相関図は必須だろう。組織内部の相関関係と敵組織との相関図も必要である。

人数が動く物語でははじめに細かく相関の糸を結んでおいた方が後で圧倒的に楽なはずだ。

では本日のまとめ、「おまえならどうするか」。

①威厳と指導力を持ったリーダー
②未熟だが正義感で突っ走るまっすぐなタイプ(主人公)
③ニコニコと温厚で観察眼に優れる組織のNo.2
④豪快で気の好いタイプ
⑤紅一点、女性
⑥②のタイプと年齢は近いがひねくれてて対立するタイプ(実力は上)

欲を言えば「何を考えてるかわからない変人」とか「裏切り者」とかも入れたいけど、6人で選べといわれればこんなところでしょう。

次回は「まとめと敵。ルールを設定しよう」

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2007年1月21日 (日)

license of lie sence"欺むく虚視の幻壁"( from 槍司 to 晴音)

「ネガティブ過ぎるわお前。絶望までの距離だけはかりやがって。すぐ隣に希望がいるって、考えたこともねーだろ」

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2007年1月20日 (土)

歓喜の寒気( from 香緒美&晴音)

「ハルさん…寒いね」
「まあ、そうかな」
「待っててくれたの?」
「何の冗談?
時間は流れて絶対に戻らない。『待つ』ってのは、時間の流れから積極的に取り残されることなんだよ。一流の魔法使い《クロック・ブラウザ》ならそんな愚かなことは死んだってしない」
「…鼻の頭、真っ赤だよ」
「…」
 香緒美が外したマフラーを晴音の首にかける。「フワリ」と彼女の体温が伝わった気がした。
「あったかい?」
「…まあ、寒くはない」

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2007年1月17日 (水)

戯満の欺瞞( from 剣介)

「『子供だまし』という言葉は愚かな大人たちの世界の言葉だ。
子供は大人の嘘など完璧に見抜く。侮らない方が、いいと思いますけどね」

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夢幻燈本舗fairy tale~物語の話をしよう~

“兄弟達” 第3夜

「偶然形成される『組織』」について。

偶然形成される組織と、物語におけるメリットはなんだろうか。

「グランドホテル形式」という物語の一つの形がある。これはある一つの場に集められた人々の心情を、次々と視点キャラクターを変えることで描いていく。

ある限定された「場」に様々な思惑を抱えたキャラクターたちを集めることで、それぞれのキャラクターが抱えた状況や立場を明確にし、その立場から起こす行動、他の登場人物との衝突なんかを描いていく。
この形式だと、キャラクター同士の相関の妙が描けて面白い。ぼくはこの様式が実は結構好きですね。一番最近ですとドラマ「THE有頂天ホテル」はまさにこの形式でしょうか。
本来であれば「グランドホテル」の名の通り「ホテル」から始まる「単一の場」に限定するべきなんですが、まぁ「特殊な状況」というところまで意味を広げると、成田良吾氏の「バッカーノ!」、映画「パルプ・フィクション」なんかも相関の妙が面白くてぼくの好きな物語です。
ではこの「グランドホテル形式」の中に「偶然形成される『組織』」が出てくるのかと言うと少し違う。
上記の場合面白いのは「それぞれの状況を抱えた登場人物」と「その相関」であり、偶然同じ場所にはいるが、「組織」とは言いがたい。

どちらかと言えば効果的な群像劇のための「舞台」だ。

では「偶然形成される『組織』とは何か」?

一番に思いつくのはコンピューターRPGのパーティーではないだろうか。

「ウィザードリィシリーズ」や「ドラゴンクエスト3」などでのパーティーは「酒場」等で割とこちらの任意で作成される。

が、近年のストーリー先行型のコンピューターRPGではキャラクターのほぼ全てに詳細な設定がつけられており、物語の進行にしたがい、様々な出来事があり、キャラクターが加入していくというパターンが多い。また、バラエティーに富んだキャラクターを登場させるため、キャラクター全てが同一の目標を持ち、実に規律の整った軍隊のようなパーティーを形成するケースはどちらかと言えば少ない。

これが「偶然形成される『組織』」である。

他の組織の場合と何が違うかと言えば、まず端から強烈な志向性、また法的なバックボーンを持っての成立は少なく、何かに巻き込まれたためその現状を脱するために全員が協力することで『組織』とその目的が作られることが多い。

他には「無理矢理組まされた」ことで生まれる「偶然形成される『組織』」もある。
「仕事」や「学校」など集団が優先されるため個人に対して強制力が働く場所では、コンビやグループなどを自分の意思とは無関係に形成させられることがある。
所属替え、部署替え、転勤、委員選出、修学旅行、クラス替え…機会は結構多い。その中で誕生するのが「偶然形成される『組織』」である。

ドラマ「相棒」では度重なる失態で「特命係」に配属替えさせられた巡査部長亀山薫と、優秀な学歴を持ちながら変わり者のため「特命係」の長をやっていた警部杉下右京がはじめは半ば無理矢理にコンビを組まされたことで物語が始まる。

桂正和氏のマンガ「I's」では、主人公、瀬戸一貴が同じクラスの葦月伊織と、新入生歓迎パーティーの実行委員になることで物語が始まる(「お前そりゃ組織じゃねーだろ」と突っ込まれそうですが、「恋人同士」ってのは同一の目的を抱えた組織だろうとぼくは思う)。

例には挙げたのはいずれも「2人」による組織だ。べつにこれが3人になろうが4人になろうが構わないのだけれど、「2人」はこの「偶然形成される『組織』」が持つメリットをもっとも生かしやすい形になっている。

メリットは何か?

ずばり、「キャラクターたちの心の距離の変化が描ける」こと。

偶然形成される組織では基本的にキャラクターは対立する。というより、作り手は対立するように配置する。で、これが仕方なく二人で出来事と対峙しているうちに、お互い自分に無いものを相手に見つけるなどして、信頼関係を高めていく。これを描くことが出来る。

さっき挙げた相棒はまさにそうやって仕事をこなしていくコンビ同士のつながりが楽しいし、恋愛モノにおいてはお互いの心の距離とその揺れを描いていくのが肝であるから、当然相性がいい。

「偶然形成される『組織』」はそうやって使うことが出来るのである。

次回「ではお前なら6人をどう配置するか?」。

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2007年1月16日 (火)

相思の草紙( from 香緒美 to 晴音)

「ハルさんに魔法をかけてあげる、そう言ったよ。世界最強の魔法使い《クロック・ブラウザ》に。約束するよ」

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夢幻燈本舗fairy tale~物語の話をしよう~

“兄弟達” 第2夜

さて、第2夜である。

「『組織』の何を描きたいのか」。

組織の何を描くかという点に関しては大きく二つだと思う。

「外側に向かって描く」のか「内側に向かって描くのか」である。

外側に向かって描く、これは組織自体が強い志向性や強制力、拘束力を持つケースあるいはその組織自体が一般的に興味を引くものであるケースがそうである。
例えば、「海猿」「踊る大走査線」「め組の大吾」あたりはどうだろうか。それぞれ「海上保安官」「警察官」「消防士」と極めて明確な目的を持った組織であり、職業として存在しているのは知っているが詳細な組織内部や仕事内容にはわからないことが多く、一般的に興味を惹かれる。
このような組織を選んだ場合、まず物語として「その組織がどういった活動をしているのか」と言うことを表現するのがまず一つの見せ場になる。その中で主人公が様々な出来事に遭遇し、成長する。もちろん時には内部で意見の対立が起こったりもするが、組織活動におけるスタンスといったものに対してのことが多い。そしてキャラクターの性格はぶっ飛んでいる者はあまりいなくて、「現実的にいそうだが強い意志を持って日常で越えそうで超えられない壁を越えてくれる」キャラクターが用意されている気がする。
一昨年辺りからの流れで「お仕事もの」というのはドラマでもマンガでも割とヒットしているが、そういったものを表現しようとしたら「志向性を持った組織」というものの用意がまず必要になってくるのである。

では逆に、内側に向かって描く場合、この場合組織自体の目的は極端な話どうでもいい。どちらかと言うとそこに集う強烈な個性を持ったキャラクター達が重要になる。
例えば「『有閑倶楽部』の有閑倶楽部」「『究極超人あ~る』の光画部」あとは新しいところから持ってくるなら個人的な好き嫌いの感情を抜きで挙げれば「『涼宮ハルヒ』のSOS団」か。
こちらでは、一応「退屈である」「写真を撮る」などの組織のコンセプトはあるのだけれど、直面する出来事はむしろバラエティに富んでおり、ぶっ飛んだそれぞれのキャラクターの反応を描くことが面白い。

あとは組み合わせでそれぞれの組織を対立させる。「ロミオとジュリエット」なんかは志向性をもった組織同士のぶつかりあいでしょう。
先に出した「お仕事モノ」では当然主人公は自分の所属する組織に自身を持っていたりあるいはさらに高めようとしているはずだが、逆に意にそぐわない組織に放り込まれた主人公の葛藤を描くという方法もある。例えば、行きたくもない戦争に行かされ軍隊に放り込まれるとか。
さらに発展させれば最初は意にそぐわない組織だったけれど段々とそこに愛着や誇りが生まれていくなんて過程を表現する方法もある。飛ばされた部署は落ちこぼればかりが集まる掃き溜め。完全に左遷であるとくさっていたが、様々な出来事を通して…といったケースや、無理矢理放り込まれた軍隊だったけれど配属された分隊の仲間と死線を潜り抜けるうちに…といったケースだ。

で、今夜のまとめに入っていく。

物語には当然キャラクターが必要である。昨夜の話と含めればキャラクターは必ず何らかの組織に属することになる。さらに、キャラクターを作っただけで「物語」が完成するわけはなく、とうぜんそこにはキャラクターを動きまわらせる「舞台」が必要になってくる。というよりもキャラクターの嗜好、性格、バックボーン、現在の状況を考えていけば、「ストーリー」はキャラクター造形と不可分で必要になる。

以上の条件を考えていけば友人がぼくに語った「組織の存在理由が浮かばない」という事実は、そのまま友人の考えている物語がまだ酷く未熟な状態であるということを示しているといえると思う。さらにかんぐるなら6人のキャラクターに関してもまだほとんど何も出来上がっていないというのが実情だろう。

ではとりあえずどうすればいいか。「組織の存在理由」に対するアプローチの手段は2つだろう。1つは「組織」の側面から考える。その組織は「法的に認められている」ような強く外側に向かうような組織なのか、あるいはなんとなくより集まって自然発生した組織なのか、だ。もう1つは「徹底的にキャラクターを煮詰めること」。6人考えているならその6人のプロフィールを徹底的に作り上げるのだ。能力から生い立ち、なぜ他の5人と知り合ったのか、どうやって生活しているのか、どんなビジュアルなのか…とにかく詳細にだ。「尋常ならざる能力」と言っていたから具体的にそれがどんなものであるのかというのは特に重要だ。キャラクター造形に関してはまた後日述べたいと思うのだけれどとりあえずキャラクター像が6人、キッチリ決まれば、ではなぜ集まっているのか、や、彼らが何をしたいのかは意外に簡単に浮かび上がってくると思う。

ここまでツラツラと書いてきて、まず間違いなく練りこみが足りていないだろうということは痛切に感じている。だからもしかするとぼくは誕生前の物語について延々お門違いな考察を続けているのかもしれないのだが…まだ問題点は残っているし語りたいこともあるので続きは明日。

次回は「偶然形成される『組織』」。


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2007年1月14日 (日)

かつての勝手( from 槍司 & 香緒美)

「『見えないから見ない。見ないからいない』…にゃろう」
「え、なにこれ?どういう…こと?」
「晴音《あのバカ》は俺たちまでペテンにかけやがったってこと」

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夢幻燈本舗fairy tale~物語の話をしよう~

“兄弟達” 第一夜

友人から、「こんな構想があるんだけれど」という話を持ちかけられた。

要約すればおそらくポイントは三つ。

・尋常ならざる能力を持った六人の『組織』の話を書きたい。
・ただ、その組織が何のための組織かという『存在理由』が見つからない。
・『敵』は用意できている。

漠然としすぎているのでこれだけではピンと来ないのが正直なところだとは思うのだけれど実は要約も何もぼくとしてもこれっきゃ聞いていないのでご容赦願いたい。

まぁ今回その聞いた話を考えるとぼくがつらつら考えていたこととも繋がりそうなので、せっかくなので頭にあることを整理しながらまとめて見たいと思う。例によって「覚え書き」的要素が強いのでそれほど面白くはないかもしれないですが、ま、興味の湧く範囲で斜め読みでもしてくれれば幸いです。

ちなみに今回使っている概念に関して作家である新城カズマさん(サマー/タイム/トラベラーでおなじみですね)が「プロの発想法でつくる!ゲームキャラクター」という本の中で提唱したものを多々参考にさせてもらっています。「物語の登場人物は9つのパターンに分けられる」というスタンスで考案されたものです。少々古いかもしれないのと、その意見の是非は賛否両論だと思いますが、この作家がぼくに「合って」いるのと、その膨大な読書量から導き出された意見には価値があるだろうと信じたからです。
と、最初にことわっておきます。

さて、まず、今回友人は『組織』を書いてみたいと構想を立ち上げたのだけれど、物語における組織の役割とはなんだろうか。

ぼくが思うに、これは、「場を限定することで登場人物の立場を明確にする」ことだと思う。

話の頭からケツまで、主人公がひとりで自分の心情を内へ内へと独白し続ける話なんて誰も読みたくない訳で、「物語」つまるところ誰かが誰かと関係することで進んでいく。

その中で登場人物像を明確に、いわゆる「キャラがたつ」状態にするには登場人物を何かしらの組織に帰属させるのが望ましい。この組織というののは、広義では『社会』なんてものから、段々学校・職場と狭めていって、狭義では『友達の輪』なんてのも組織だろうから言ってしまえば全ての登場人物は何かしらの組織に帰属している。

「どこにも属してないアウトサイダーなヤツっているじゃんよ」という意見が出そうだが、この「アウトサイダー」は「属していない」という関係性で組織に属している。
なんだかややこしいが、例えば「魔術士オーフェン」シリーズの主人公オーフェンは大陸魔術士教育機関の最高峰「牙の塔」を出奔した「モグリの魔術士」というアウトサイダー的なキャラクターである。が、この「牙の塔」という組織から出奔したことがオーフェンのキャラクターの一部を形成しており、「牙の塔」無くしては「アウトサイダー」たり得ないという意味で彼は「アウトサイダー」というマイナス方向の関係性で「牙の塔」に属している。

話は戻る。
そして組織というのは必ず目的を持って動いている。

「ドラゴンクエスト」をはじめ多くのRPGはパーティーという一つの組織を組み世界を救おうとする。「さくら大戦」の帝国華撃団なら帝都を守る。「ギャラクシーエンジェル」のエンジェル隊なら「オーパーツの回収」。新撰組なら京都の治安維持。「スプリガン」のスプリガンなら…といくらでも挙がってくるがもっと一般的に考えても、警察なら法の遵守のために日夜動いているし、消防署なら火災の鎮火、民間企業なら利益の追求だ。

さてここで冒頭に上げた3つの中にあった「組織の『存在理由』が見つからない」という問題点がまさに「問題」になってくる。

と言ったところで第一夜は幕。

次回は「では『組織』の何を描きたいのか」。

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2007年1月12日 (金)

血衣の決意( from 晴音 to 響希)

「もし、完璧徹底的な『負け』なんてものがあるとすれば、それは折れることを受け入れた瞬間から始まるんだ」
「……」
「駒は駒であることを自覚した。さぁ、覚悟を決めろよ。軍師殿?」

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2007年1月11日 (木)

思いと想い(一春&刻)

「相変わらずのアナログ。その時計と一緒かよ」
「忠告しとくけどね。恐竜ほどの脳みそのどんな馬鹿でも余すことなく知っていることだと思うから念のためだ。もう一回言っておこうか。とりあえずハイハイをやめた人間なら知っていることだから念のための忠告だ。忠告する方が馬鹿に見えるくらいの忠告だ。『時代錯誤』を言いたいなら『アナクロ』だ」
「……」
「『アナログ』はね、刻、流動性を示す言葉だ。
その時計の針が動き続ける限り、君は時の流れの中にいる。『時間』と名づけられた少々やっかいなのと繋がってる――そういうことだよ」

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2007年1月 5日 (金)

戦塵の先人( from オズワルド for 香緒美&槍司)

「一手速いだけのクロックブラウザなどどうということはない。二手を誇る者など放っておけ。だが、十手先となるとそうもいくまい。老婆心ながら忠告するがね、戦辞書《アレ》の思考速度は速すぎる。いつか世界を読み切るぞ。
その先にあるのは『虚無』。人間の脆弱な精神が耐えうるものではないよ。
気をつけてやることだ」

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2007年1月 3日 (水)

浅い朝( from 香緒美)

「『希望』だって信じたものを引きよせても引きよせてもあなたにたどりつかない。なら、わたしが引きよせてたのは一体なんだったんだろう?」

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2007年1月 2日 (火)

幻日の現実( from 鋭耀 for 香緒美)

「頭のめでてぇお嬢さんだなオイ。テメェは戦辞書《バトルディクト》にとってこのクソだだっ広い世界で唯一最強の『毒』なんだぜ。わかってんのか?」

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「目を開けてよ!」
「…」
「開けっててば!」
「…」
「目を開けなさいっ!わたしを置いてくつもりなの!?このまま『さよなら』なんて許さないんだから!!
…お願いよ…お願い」
「やれやれ、まったく騒がしいお姫様だ」
「!!」
「あんまり騒がしいんで目、開いちまった」
「…バカ。バカバカバカ」
「…明けまして、おめでとう。目、開けただけにね」

はい、ま、そういうわけでですね。新年の挨拶を書いたところで2007年を迎える前にさっさとくたばるべきだったなという真剣なね、真剣な気持ちをね、呼吸を止めて一秒あなた真剣な目をしたから、そのまま何も言えなくなるわ星屑ロンリネスな訳ですけれども。

思いつきを垂れ流しにしてるので訳がわからなくなってますね。ほんと、世界のためを思えば舌を噛み切った方がよさそうですな(場内爆笑)。

そんな夢幻燈本舗のモキチさんなんですけれど。

皆さん今日は当然観たわけですよね?

「何が?」って声が聞こえてきてる気がするんですけど。なに言ってんですか、今日は元旦ですよ?決まってるでしょう。

「相棒スペシャル バベルの塔~史上最悪のカウントダウン!爆破予告ホテルの罠」

ですよ。

正直ね、元旦からとんでもないものを拝ませていただいたという気持ちでいっぱいです。(編集部注:この先「相棒SP」を観たという前提のもと話が進みますが、気にせずお楽しみください)

なにが凄かったかといえば「構成」。

毎回この「相棒」シリーズでぼくが「すげぇな」と思って観てるのはその絶妙な構成力でして、途中までで「この話は最終的にこんな形に落ち着くんだろうな」と思ったことを大体2回くらい裏切ってひっくり返してくる。先を読ませない。で、決して甘くない。

しかも普段の一時間バージョンすらこの「ひっくり返し」をやってるのに今回2時間半のスペシャルなもんだから3回くらいひっくり返した上にしかも畳み掛けましたからね。正直やられた。

具体的に言うと、

・五十嵐祥子(漢字曖昧)の正体
・犯人、「梶」のミスリード
・スナイパー日野

このあたりのひっくり返し具合はもうね、絶妙だった気がします。

五十嵐に関しては「お前かよ!」ですよ。

犯人の「梶」も「解決」→「誤認逮捕」って流れで「お前違ったのかよ!!」で完璧に観てる方をトリックにはめてますしね。

日野なんて、「警視庁最強のスナイパー」なんて肩書きで「いかにも」な風な奴が出てきたとき「おいおい、『相棒』もずいぶんかっ飛んできたな」と思ったんですが「えええ!?お前!」ですよ。

とにかく張った伏線が見事に生きてた。

ややご都合主義っぽくて次々に新事実が飛び出してきたかなといった感も、確かにあるとは思いますが、でも振り返ってみれば構成的に伏線は張られてるしな、って納得できますし、何よりも観てるほうの視線を振りまくりその先に生まれた「どう着地させるんだ?」って思いを心理的なドキドキとして畳み掛け、話を最後まで持ってたのがすごいと思いました。

後は、視聴者の方の怒りの矛先、「こうなってもらいたい」というドラマに対する希望を「誘拐事件犯人」→「情けない富永」という具合に誘導していったのも構成の妙だとは思います。

もう何シリーズもやっており、主人公キャラたちの魅力に関しては十分表現しているので、冒頭の掛け合い等で伝えることができる。後はゲストキャラとの絡み合い。この辺もうまいと思ったし、今まで登場したサブキャラがそれぞれの魅力を発揮していて良かったです。個人的には大河内さんの味のある活躍は嬉しい限りです。

んーやっぱこういった「構成で魅せる」「個性溢れる登場人物いっぱい大集合」な感じの話がぼくは好きだなぁ。

新年から鳥肌もので、「いやーいいもん観さしてもらったわ」に出会えたので、ぼくは今だいぶ幸せな気持ちでこれを書いてます。

いや良かった。

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