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2009年7月 8日 (水)

驚愕の教学( from ??? for 京介&晴音)

「バカな! あるわけがない! こんなこと――奴が選ぶわけがない!」

「起こったことだけが真実――あんた、言ってなかったっけ?」

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09夏の百冊

各出版社で今年も「夏の100冊」フェアが開催される中、夢幻燈本舗も乗っかってみてしまえというこの企画!

いや、1日10冊ずつ紹介していって何とか7月20日前には終わりそうです。
ぼくには直接関係ないとは言え、やっぱり夏休みに間に合わせたいですからね。
ちなみに個人的にもっとも好きな夏の読書スタイルは、風通しの良い縁側でごろりと横になって風鈴の音を聞きながらって感じです。

今回の「夏100」にあたっては以下の基準を作りました。

今回の選択基準(PCソフトで言うなら動作環境)
・現在書店で入手が可能な100冊の文庫(「今からでも手に入る」が条件)
※尚、在庫状況に関してはAmazon.comが参考です。
→単に好きな作品をズラーって並べるのも面白いんでしょうけど今回はもう少し趣の違ったものを作りたいなぁと。で、「夏の100冊」フェアに乗っかるのであれば今から手に入るものに限定、1冊でも手にとってもらえたらなぁなんて思ってます。

・一作家につき一作品(シリーズものの場合は一巻目)
→よりバラエティに富んだ構成に出来ればなぁと。
・ただし、例外的に上下巻にて完結するものに関しては2冊分を割いてピックアップすることを可とする
・シリーズものに関しては09年6月の段階で完結しているものとする
→ここまでの基準のあおりをもろに受けたのがいわゆる「ライトノベル」。基本的にシリーズ刊行されるものなのと、シリーズ完結に伴って印刷も終了と、大変みずものな性質なのでその間隙を縫ってのピックアップとなり全体的に少なめになりました。

・複数の出版社から刊行されているものに関しては、最も装丁が気に入っているものを選ぶ
→著作権切れの名作をはじめ、現在複数の出版社から様々な装丁のものがだされていることがあります。それに関してはもっとも好きな表紙のものをチョイスということで。

・ミステリーなど謎解きが主題になってる作品に関しては当然ことながらネタバレは禁止
・特例として、「文庫コミック」は含むことを可能とする
・データの記載順序は
書名/著者名/出版社名/コメント/補足 とする
・紹介順は50音順(海外作家の場合も、日本語表記にして50音順とする)

さらにガイドラインとして以下も頑張ってみる(PCソフトで言うなら推奨環境)
ジャンルはなるべく広範囲にとる(フィクション、ノンフィクション合わせてバラエティに富んだ構成にする)
・なるべくだが「夏」を意識した構成が望ましい
・7月20日~8月31日という「夏休み」期間をフルに使えば全冊読破可能の構成が望ましい

ちなみに2年ばかり前に、マンガ夏の100冊をやろうとしてモキチさん見事にぶっこけてますけどナイショだぜ。
あんまりしつこく突っついたらジェノサイド&バニッシュだぜ。

以上、御託が長く伸びましたが、夢幻燈本舗、夏の100冊。いってみましょう!


紳士遊戯/赤城毅/光文社
どんなに正当な理由があっても、暴力に対する復讐は、例えば誰かを殺されたことを、殺し返すというやり取りの形はどうしても後味の悪さが残ることが多い。
対して、コンゲームの「騙したら騙し返す」。このコンセプトは物語を大変爽快な方向へ持って行くことが可能だと思う。
まして、主人公サイドが、伝説の詐欺師・未熟だが熱血漢の若者・勝ち気な美少女とくれば尚更。
残念な点を上げるとすれば、文庫化に伴っての挿絵の変更。ぼくとしては村田蓮爾の表紙が大変好みだったのですけれど。


イリヤの空、UFOの夏1/秋山瑞人/アスキー・メディアワークス/全4巻
駒都えーじの挿絵、タイトル、忍び込んだ学校のプールで美少女との遭遇――もっとこう甘くて軽い青春ものがね、こー来ると思うですよ。したらこれがまたキリキリ、キリキリと胸を締め付ける。いい。うん、実にいい。ぜひとも夏休みの開始と同時に読み始めていただきたい名作です。


地獄変/芥川龍之介/集英社
芥川龍之介の作品だと他には「藪の中」「鼻」「河童」が好きですが、この「地獄変」のぶっ壊れた絵描きと、完成した絵のビジュアルがあんまりにもリアルに浮かび上がる様は一歩抜きんでて好きです。多くの出版社から発売されてますけどここはやっぱりナイス試みである集英社の名作×人気漫画家シリーズで。どんどんやればいいと思う。「挿絵は例えばあの漫画家さんの方が良かったなぁ」とか以外で文句をつける奴は結局の所不当に作品の価値を高めようとしているだけのはずなので放っておけばいい。所詮エンタテインメントの中で何ら機能できない化石どものはずです。


麻雀放浪記/阿佐田哲也/角川書店/全4巻
「麻雀」が入り口を狭くしてフィルターになってしまっている状況は分かるのですが、とにかく取っ払って青春小説として読んでもらいたい作品。麻雀のルールはすっ飛ばしても全然平気です。不満を抱えてイライラしている人、孤独にさいなまれている人には特にオススメです。


Dクラッカーズ/あざの耕平/富士見書房/全10巻
まぁ…ここん家のブログを読んでくれている人にとってはもう「うるせぇよ」の世界なのだと思うのですが…そうは言っても挙げずにはいられない!
先日完結のBLACK BLOOD BROTHERSシリーズとも迷ったのですが、やはりモキチさん的にはこちらを。構成力やキャラクターの掘り下げなどに関して決してBBBが劣っている訳ではなく、むしろ進化しているはずです。が、幼馴染みの少年少女、ひとつの街のアングラ文化を中心に展開する物語、そしてドラッグ――Dクラの方がぼく好みの構成要素を多めに含んでいるということなのだと思います。「ドラッグ」っていうあまりに飛び抜けた鎧で覆った王道の物語。



煙の殺意/泡坂妻夫/東京創元社
タイトルからもお察しの通り、ミステリーです。元々、米澤穂信が自分の好きな作品として挙げていたので読んでみた作品です。8作品収録の短編集なので楽に読んでいけると思いますが、一遍読む度に新鮮な驚きで魅了してくれます。「紳士遊戯」の紹介の際に「騙し返す」爽快さに触れましたけどこちらの作品では「騙される気持ちよさ」が味わえます。なるほど物語って大したもんだ。収録作の中でオススメなのは「椛山訪雪図」。



幕末新選組/池波正太郎/文藝春秋
ぼくの基本的な性格として「成し遂げようとする姿勢」が好きなのであって、実際に成し遂げてしまった人たちはそんなに好きではありません。本当は成し遂げて維持することが一番難しいのは分かっているんですけどね。まぁそんな感じなので、不器用に滅んだチンピラ集団新撰組は好きです。新選組と言うとどうしても「近藤・土方・沖田」の3人にスポットが当たることが多いのですが、ぼくが一番好きなのは二番隊組長「永倉新八」。沖田に引けを取らないくらい強かったらしいにもかかわらずどうにも地味なイメージが強いですが、政治や名誉にあまり拘らず江戸っ子の気持ちよさで幕末を駆け抜けたカラっとした感じが好きです。この「幕末新選組」はそんな永倉が主人公の珍しい一冊。同じく江戸っ子の池波正太郎がすごく人好きのする永倉を書ききっています。



グラスホッパー/伊坂幸太郎/角川書店
時期的には映画化されている「重力ピエロ」を押した方がいいのでしょうが…。
元の入り口は「戦線スパイクヒルズ」の井田ヒロトがコミックス化をしていたことなのですが、そっちは大人の事情が絡んでえらく早足になっちゃったんで原作にも着手。
特殊能力をもった殺し屋が次から次へと出てくる上にまぁキャラクター同士思惑抱えて騙して騙されてぐるんぐるん振り回されているうちにえらいスピードでラストへ突き進んでいきます。んで、その中で柱と言うべき「鈴木」が抱える「今は亡き妻」への思いの変化がグッときます。伊坂幸太郎という人は純文、エンターテインメントの狭間の複雑な位置にいるような気がしているのですが、ぼくは良質なエンターテインメントとしてオススメします。



バイトくん/いしいひさいち/双葉社 ※1巻画像がなかったので7巻で代用
いしいひさいちの漫画はどれも博覧強記と皮肉に富んでいて面白いのですが、中でも気楽さとバカバカしさで「バイトくん」シリーズが好きです。
いいのいいの、深刻に考えるだけ馬鹿ってもんさ。気楽に行こうさね。



赤・黒 ルージュ&ノワール 池袋ウェストゲートパーク外伝/石田衣良/文藝春秋
最近微妙にしゃらくささを感じる側面もあるのですが、「池袋ウェストゲートパーク」シリーズの石田衣良の乾いた語り口と観察眼、ネタの裁き方は大変好きです。
この「黒・赤」は一応「外伝」となっていますが、単品で十分楽しめます。内容はと言えば…ヤクザからギャンブルで大金をせしめる話。はい、大変ぼく好み。
読み終わった後に何となくテンションが上がったまんま街に飛び出したくなるので気をつけて。

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